波乱のお昼当番 [2]
月曜日、おそば屋さんへの注文で、とろろそば一つ、とノートに書いてあったので、その通りに注文。
そしてお昼休み、私はその日、出前は取らないでコンビニへ買いに行きました。
おでんを前に、さあ食うぞー!と割り箸を割ったその時、
「ねえ今日お昼当番誰かなぁー?」
という声が耳に入りました。
見ると、とろろそばを注文したAさんが、すでに食べ終わってお皿を下げようとしているところでした。
「ねえ、このとろろそば、まだ残ってるんだけど誰のだろ?」
確かに、まだ手の付けられていないとろろそばが残っています。
私がおそば屋さんに注文したのは1つ、しかもそれを注文したAさんはすでに食べ終わっています。
隣の部署が注文したのが間違えてこちらに来ているのか、それともおそば屋さんが間違えて2つ持ってきてしまったのか、どちらにしても私はちゃんと1つだけ注文したもん私のミスじゃないもん、と考えを巡らせていると、Aさんが、
「あたしは玉抜きを頼んで、コレ、もう食べたんだけど、こっちはフツーの、卵入ってるんだよね。誰のだろうね。」
ナニ?!
てコトは、オイ!!
あんたも電話したの?私もしたわよ、2つくるに決まってんじゃん!
まったくもー、カンベンしてくださいよー。
なんで勝手に注文しちゃうのよ。
しかも自分で電話したんなら、ノートに書いておかないでよ~。
書いてあったら、当番だもん、私も電話するに決まってるじゃないのぉ! 凸(`д´#
一気にアタマに血が昇ってしまいました。
でも私にとってそのAさん、できれば関わりを持ちたくない方のうちの一人なのです。
彼女は役職こそ付いていないものの、かなりの古株の方で、性格、振る舞いもキツくて、いわばお局様
タイプのお方。
更に私にとっては、それらを差し置いても生理的に受け付けない方なのです。
そんなワケで一秒でも早くこの場を離れたい、という防衛本能が働いたのか、次の瞬間には
「あ、じゃあ間違えちゃったんですね、私これ食べますよ。」
と言いながら手早くブツを取り、自席に向かっていました。
「くぅ~なんでやねんもうおでん買ってきちゃったしお昼休み45分しかないしそんなにたくさん食べれないししかもとろろ大っ嫌いだしぃ!!!」
とココロの叫びを発しつつ。
私の防衛本能ったら、恐ろしいものです。
- すでに自分の分のお昼ご飯を買ってきている。
- 本当は出前を取りたかったが、お金がないので、コンビニで安くすませるコトにした。
- 私は食べるのにとても時間がかかるので、45分しかないお昼休みでは、そんなに量を食べるコトはできない。
- とろろは食べれない。
こんなたくさんのリスクを負っても、Aさんとこれ以上会話したくない、という生理現象のほうが勝ってしまったのでした。
内心「だからお昼当番って嫌いなんだよねもー」とか思いつつ、おでんととろろそばをヤケクソで食べていると、先程の私とAさんのやり取りを見ていたらしいBさんが声をかけてきました。
「(Aさんのほうをアゴでしゃくりながら)お金払うって?」
「いえ、特になんとも言ってませんでした。」
「払わせなよ。」
「でも~。食べてるの私だし、私払いますから。」
「そんな、みなこちゃんが払うことないよ、払わせなよ。」
「いやぁ~そんな、言えませんから~ (^-^;」
残すのも勿体ないので、必死の思いでおでんととろろそばを平らげたけれど、食べすぎで気持ち悪くて午後は仕事どころではありませんでした。
本当は、Aさんが2つ分払ってくれるのを、ちょっぴり期待してみたんだけど、やはり1つ分しか払ってくれませんでした。
結局私が食べたくもなかったとろろそば代680円を出して、おそばやさんへの支払いを済ませ、みんなにお釣りを配ったりしていると、先程のBさんに呼ばれました。
ついて行くと、Bさん含め、Aさんに負けず劣らずの古株の女性陣が数名いました。
ただ、彼女たちがAさんと違う点は、平社員よりワンランク上の主任
の方がいたり、
決してお局様タイプではなくて、みんなに好かれる人柄の方々だということでした。
どちらにしても、わが部署の重鎮の女性方勢ぞろいです (゜○゜)
「あのね、さっきのおそば代、お茶代から出すことにしたから。」
予想もしてなかった言葉に、ほぇ?!と口をあんぐり開けていると、
「いくらだった??」
やっと我に返って、
「で、ででででも、あれはみんなのお金だし、おそばは私のお腹の中に入っちゃったし!」
と言うと、
「何言ってんの、みんなのお金だからいいんじゃない。自分で勝手に頼むんなら、お昼当番なんていらないんだから、みなこちゃんが払うことないのよ。ホント、何の為にお昼当番があると思ってるんだろ!」
と、皆さんウンウンと頷いていらっしゃる。
お茶代と言うのは、これまた部署ごとに集めてるお金で、みんなで自由に飲んでもいいコーヒーやお茶なんかを、このお金で購入しています。
部費とか、自治会費みたいなものです。
そこから、出してくれると言うのです。
皆さんのご好意が嬉しくて、ガラにもなく泣きそうになってしまいました。
決して、680円払わなくてすんだからではアリマセン、念のため(笑)。
私は、職種が他の人達と違いすぎることと、性格もあって、社内ではかなり浮いています。(と自分では思ってます。)
性格的に、あまり人付き合いが上手くなくて、面倒臭いことになるのが嫌なので、自分から人の輪の中に入っていったりしません。
だから、友達と呼べるほど、特に親しい関係の人はこの社内にはいません。
更に、お堅いお役所的な会社の中に、たった一人だけクリエイティブ系というか、柔らかい業界の人間として派遣されているのです。
この会社の色に染まってしまっては、私の目指すいい仕事
はできません。
そんな事情も重なって、とにかく浮いているのです。
だから、皆さんのこの心遣いが余計に嬉しかったみたいです。
私にも味方(大袈裟かも)がいたんだ~。
まあ、自分から親しくしたりすることもないけど、Aさんのように、まわりに危害を加えたり(笑)、といった実害がないから、自分で思ってるより私の評価は悪くないのかもしれないです。
良くも悪くも無害。
接点なし。
ってコトかな f(^-^;
なんて安心してる場合じゃありません。
波乱のお昼当番はまだ続くのです。
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